356.中と外のトポロジー3: ヘビが消える? (2004/06/27)

「人間の胃の中は体の外にある」と言うのは、動物の進化の過程を考えると分かりやすいかも知れません。

最初の動物は消化器官を持たず、体の表面に接する液体から養分を吸収していました。しかし、それでは接している時間が短いため、全ての養分を吸収することが出来ません。動物としてより活発に活動するためには、もっと効率よく養分を吸収することが必要です。

そこで最初はくぼみであった養分を吸収する組織が進化して、体を貫通する消化器官になったそうです。消化器官は体の表面の形が変化して出来たものなのです。

そう考えると人間は、トポロジー的には「ドーナツ型」をしていると言えるでしょう。

おなかの空いたヘビが、間違って自分のしっぽを食べ物だと思って食いついてどんどん食べていき、最後に頭の部分を食べたら消えてしまったと言う話しがあります。

これは冗談だとしても、ドーナツ型には不思議な現象が起こることがあります。

「メビウスの帯(輪)」は、裏と表がない図形として様々な研究の対象になっています。

試しに適当な長さの2センチ幅ぐらいの紙テープを、一回ひねって輪を作ります。そのテープの真ん中にぐるっと一周線を引き、その線上をはさみで切って輪を2つにしたとき、2つの輪は分かれているでしょうか?それともつながっているでしょうか?

実際にやってみると、予想と違う結果になることがあります。(と言うか、問題自体が誤った表現をしていますね。)そこでなぜそうなるかを説明するための数学がトポロジーです。

トポロジー(Topology)とは、辞書で引くと「位相幾何学」と訳されますが、大雑把な図形間の相対的位置関係を扱う数学です。

ドーナツ型は日常的によく目にする図形ですが、注意して扱わなければならない要注意図形です。それにはトポロジー的な考え方が必要になります。

では次回は最終回、「ドーナツはドーナッてんの?」をお送りします。(いや、あまりにもベタですので、題はちゃんと考えます。)

2004年06月27日 00:00




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